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【三好市】東祖谷歴史民俗資料館で祖谷の歴史を学ぶ【安徳天皇】

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先輩の許可を得て、職場の同僚と共に冒険することに。

午前中は「どこへ向かうか」を2人でリストアップする作業に終始。パンフレットやネットを駆使し、先輩のアドバイスを頂戴しながら、行き先をいくつか決めた。

最初に向かったのは……。

東祖谷歴史民俗資料館

その名のとおり、三好市の東祖谷の歴史に関する資料を展示してある館である。

本当はピックアップしてなかったんだけど、「寄っときましょうか」となり急遽入ってみることに。

我々は1人400円(中学生は200円・小学生以下は100円)を支払い、いざ入館!

「さて、眺めて眺めて眺め倒すぞ!」と意気込んでいると、館員さんがやってきて、「東祖谷の歴史をざっくり学べる10分程度の動画」を観せてくれるという。なので、動画鑑賞。

その後、「勉強になったな。それじゃ、改めて眺めて眺めて……」と意気込み直していると、ふたたび館員さんがやってきて、一緒に観て回ってくれることになった。

こういうのマジありがたい!

過去にも十郎兵衛でガイドさんがいてくれて、めちゃくちゃ詳しく浄瑠璃について教わったことがある。自分で調べるのも良いけど、詳しい人、教え上手な人に聴くのが一番手っ取り早く、なおかつ楽しい。

というわけで、我々は2人組から3人組となったというわけである。

まず最初にみたのは、東祖谷の昔の家屋を再現したものである。

いろいろ聴いて、もっとも興味深かったのは、

囲炉裏で起こした火によって生じる煙で、天井や梁を燻すことで、殺菌効果やら防虫効果やらが出て、家を傷みから守ってくれるという話だ。

ほら、よく古民家などにいって、天井を見上げると、それはもう見事に燻されており、真っ黒になっているだろう。それはつまり、それだけ沢山燻されて、それだけ囲炉裏の煙に保護され続けてきた勲章のようなものなのだ。

そして、東祖谷の先人たちは更にその煙を利用した。

タバコの葉を乾燥させるのにもこの煙を使ったというのだ。

少し補足をしておくと、三好市には古くからタバコの葉の栽培や、刻みタバコ産業が盛んだった歴史がある。

ちなみにタバコの葉はデカい。

このスルメのデカいのみたいなヤツが、タバコの葉だ。

JTのウェブサイトによれば、「大きいもので長さが約70㎝、幅が約30㎝程にまで成長します」とのこと。たしかに我々が見上げたのも、それくらいのサイズのもあったかもしれない。

でも、巨大葉っぱを見上げているというよりも、自分が小さな幼虫にでもなったような錯覚を覚えた。

さて、質問です。

↑の画像右に写っている、藁の棒はいったい何に使うでしょうか。

A:山を歩く際に振り回しながら歩くことで、妖怪などを寄せ付けないためのおまじないに使う。

B:これで人の家の戸を叩いて「お菓子くれー」と催促する道具。

C:武器。

…………はい、時間切れです。

正解はBでした。

ハロウィンの「トリックオアトリート!」や「いもはまんだかな」(ばらかもんを参照)を彷彿とさせるイベントが、昔の祖谷でもあったんだなとしみじみ。

こういう情報も単に展示を眺めているだけではわからない貴重なもの。俺なんて「藁人形みたいなもんかな?」と思ってたくらいだし。

↑これはね、陶器の湯たんぽだったかな。(ちょっと話を聞いてから日が経ちすぎて一部うろ覚えになっちゃった。。。)

これが樽型の五右衛門風呂。

すると、これを見た同僚、熱心に館員さんにいろいろ質問をしていた。どうやら自宅の風呂を五右衛門風呂にしようと考えていたらしい。

あとね、印象深かったのが、幼帝・安徳天皇の逸話が可愛らしい絵で紹介されているものね。

幼帝の逸話

実は祖谷には平家落人伝説というものがあり、安徳天皇が隠遁していたとかいないとか。

こんなことを言うと不敬なのかもしれないけど、描かれるエピソードがまあ可愛らしい。

「栃の実」をオモチャの代わりにして遊んでいた安徳天皇。剣山からの帰り道でそれを落としてしまい、家来たちが拾い集めてくれたんだけど、どうしても1つだけ見つからない。でも、安徳天皇は探してくれたことに、丁寧にお礼を言ったそう。

それと「蛙の声のする所で暮らしたい」と望んだというエピソード。

いやあ、可愛らしい話。思わずほっこりしてしまった。でも、同時に悲しくもなった。

というのもこの安徳天皇は若くして亡くなってしまうのだ。幼くして帝となり、源氏に追われ、怖い思いをして、若くして病で亡くなったと言い伝えられている。もちろんこれが真実なのかどうかはわからない。

全部デタラメで、怖い思いをした幼帝などいなかったら良いのにと思わないではいられない。

全部本当なら、あまりにも可哀想だもんな。

平家の家紋・向かいあげは。

ちょっと調べてみたんだけど、この模様と一致する画像が出てこなかったんだよな。なんでだろう。

そんなこんなで、気づくと2時間以上経過していた。

俺たちは思わず顔を見合わせた。

「2時間……経過しちゃいましたね」

苦笑いしながら、退館する我々は社用車に乗り込み、次なる目的地を目指すのであった。

ちなみにこの東祖谷民俗資料館敷地内にはこんなものもある。

コインランドリー。10円玉や50円玉は使えない。100円玉を用意しよう。

今回はここまで。続く!

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