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【祖谷名物】「でこまわし」&「鮎の塩焼き」をムシャって来た話【ネコネコ有り】

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囲炉裏っぽいところで串に刺した魚や、でこまわしをじっくり焼いているのを見てみたい。食べてみたいと思ったので、今回は久しぶりに徳島県西部に向かって車を走らせた。目的地は、観光情報誌「るるぶ」などでも紹介されている「いこい食堂」である。

ちなみに、でこまわしとは「ジャガイモ」や「豆腐」、「コンニャク」などを1本の串に刺して、甘い味噌を塗って焼いた徳島県の三好市あたりの名物のことね。

「いこい食堂」は祖谷のかずら橋を渡ってすぐ左手にあるお店で、多分去年も訪れて祖谷そばの山菜入りのやつを食べたはずである。(記憶があいまい)

前日の天気予報では、台風6号の影響を受けて雨、もしくは曇りということだったが、この絶対的晴れ男が魂こめて吊るしたてるてる坊主の威力は効果絶大。まさかの快晴となった。

うきうき気分で運転すること約2時間。(終始熱唱していたため、感覚的にはあっという間)

昨年同様、無人有料駐車場に車を止め、目的地へと早歩きで向かう。

約1年以上ぶりに訪れた祖谷のかずら橋だが、今回は渡らない。遠目に眺めておしまいにし、すぐさま「いこい食堂」へと歩いていく。

店先にいくと、俺がイメージし、欲していたとおりの形で鮎が焼かれていた。

ところが肝心のでこまわしのほうが1本も焼かれていなかった。

女将さんいわく「もうちょいしたら、焼くけんな」とのこと。仕方ないので、まずは鮎を1本買って食べつつ、でこまわしの完成を待つことにした。

鮎を受け取ったとき、女将さんが「滝を見ながら食べたらいいよ。綺麗やけん」と言ってくれた。

(そういえば去年も滝眺めたっけなあ)と思いつつ、礼を言って鮎を手にすぐそばにある滝まで歩いていった。

ここ数日はそこそこ雨が降ったからだろう、滝は水量もしっかりあって迫力があった。

記憶は定かではないが、去年見たときよりも良い感じに思えた。椅子やベンチなどはないので、ぼんやり突っ立って滝を眺めながら鮎をひとかじり……。

うまい!

もともと鮎は結構好きなほうだったが、これはかなり旨かった。

塩加減も絶妙で、じっくり炙られるように焼かれているからか身もしっかりふっくら柔らかい。ワタの苦味も旨味たっぷりでクセになる。これはいい。最近ふたたび飲めるようになった日本酒でもあればたまらなかっただろう。

贅沢をいうのなら、ここに新鮮なすだちでもあれば完全完璧だったな。

新鮮な鮎の塩焼きの苦味と旨味のグラデーションを楽しんだ俺は、気をよくして視界に入った階段をリズミカルに下りてみた。

すると、河原に出られる。そこからは、かずら橋を見上げられるかたちで眺めることが出来た。多分前回来たときも階段に気づいて降りていたはずだが、まったく覚えがなかったので鮮度抜群に驚けたので良かった良かった。

そろそろ、でこまわしはどうだろう。

自分でも少し気が早い気がしたんだけど、とりあえず再び「いこい食堂」の店先へ向かった。

すると、女将さんがでこまわしを待ちわびる俺に気を遣ってくれたのか、もうすでに焼き始めてくれていた。

「1本ください」と言って300円を手渡した。

 ジャガイモ。豆腐。コンニャクらが串に刺さって、甘めの味噌を塗られて焼かれたのが「でこまわし」。似たようなものを少し前に食べたが、あちらは竜王でんがく。また少し趣が違う。細かいことはわからないが、とにかく違う。調理方法も違う。

 四の五の言わず食おう! 温かい食べ物は温かいうちに食べよう。

 ジャガイモは想像どおりホックホク。甘い味噌との相性も抜群。味的にはさほど主張をしないジャガイモの手を味噌がとって、「先生、ジャガイモくんが何か言いたいことがあるそうです」と力を貸してくれている画が思い浮かんだ。味噌の協力を得たジャガイモが「僕は、とても美味しいんだ」と胸を張って主張しているような印象を受けた。

「ジャガイモ、君の実力は知っているよ」と思いながら飲み込んだ。

塩でも、バターでも、醤油でも、旨いジャガイモにエールを送りつつ、豆腐をかじった。途端に大豆の風味が鼻を抜けた。そうか、豆腐も味噌も元は大豆という共通項を持った発酵食品同士か。道理で相性がいいはずだ……。大豆×大豆の強烈な大豆の旨味に笑ってしまう。

やがて豆腐ゾーンがなくなっていき、寂しさを覚え始めたころ、突如やってくるコンニャクの食感と田楽の快楽。甘噛みくらいでは歯を押し返すほどの弾力が心地よい。

3種類の串種の、味や食感、味噌との絡み具合の違いを楽しみながら俺の「でこまわし」タイムは幕を下ろすのだった。そこで感じたのは、やっぱり炭火で焼く食べ物を外で食うと鉄板で旨いという、当たり前にもほどがある真理だったな。

ところで、この甘い味噌がたっぷりついた「でこまわし」。食べるときに気をつけなきゃいけないのは、結構具が大きいから口の周りに味噌がついてしまうことだ。それに気がつかないで、駐車場まで歩いて他の観光客にじろじろ見られるおそれも無きにしも非ず。

美味しいけど、そこだけ気をつけよう♪

それからね、駐車場に向かう最中、少しだけネコネコできた。

「にゃにを見とんにゃー! おにゃー!」

謎の茹でた鶏肉みたいなのをめちゃくちゃ大量に食べていた。また、奥の子がまったく微動だにしなかったのが少し気になった。

しかし、まさかここでネコネコできるとは思わなかったので嬉しい誤算だった。

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