ドイツ館で行われたドイツグルメッセ2019を十二分に満喫した俺。ドイツ文化に触れ、買い物も楽しんでドイツ館を出た。
そこで目に飛び込んできたのは、入館する頃にはまだ準備中だった4,5軒の屋台。タイミングが良かったのか、俺以外にお客は皆無だ。
かっしゃ焼きにフライアウポテト、タピオカにがいな黄金唐揚げ……。凄い、5割何者かわからないのが含まれている。かっしゃ? フライアウ?
とりあえず館を出てすぐ左手側にある、旬や ていじのがいな黄金唐揚げを買ってみることに。
利酒師であるオーナーが「日本酒に合う日本一旨い唐揚げを造る」という熱い想いから、2年の歳月をかけてようやく完成した「がいな黄金唐揚げ」!!徳島県産の食材にとことん拘り、利酒師であるオーナーの1つ1つ手仕込みで創り上げ業界初の日本酒に合う唐揚げに仕上げております。
旬や ていじ 屋台より
徳島県美馬市で収穫し手搾りの柚子果汁、徳島県の老舗醤油メーカーのだし醤油、 徳島県産の柚子皮、熱を加えると香ばしさが生きてくる徳島県産松本農園玉子、栄養価が非常に高く黄身が黄金色に輝く徳島県産千寿菊玉子
を使った唐揚げだそうだ。
肝心の使用鶏はというと、阿波すだち鶏。
なるほど。徳島オールキャストでお送りしているわけだな。素晴らしい。
そして、俺のブログに相応しい唐揚げではないか(´∀`)
ノーマルタイプに、長崎南蛮ソース、中華チリソース、照りマヨソースなどがラインナップされている。が、ここはノーマルタイプで実力の程を確かめてみたいと思った。
スキンヘッドのにこやかな笑顔の大将が目の前で揚げてくれる。その手際の良さに思わず、「写真撮っても大丈夫ですか?」と言うと、快く受け入れてくださった。
いやあ、良いねえ。鶏が揚がってくのを眺めるってのは。壮観極まりないね。油の跳ねる音も耳心地が良い。目の前で揚がるっていうことは、揚げたてほやほやを食べられるということでもあるから、否が応でも頬は緩む。
池波正太郎氏も言っている。「天婦羅は揚げたそばから食べろ」って。唐揚げは天婦羅ではないけど、同じ揚げもの。揚げて即食べるのが一番旨いはずだ。
500円を支払い、受け取る黄金の唐揚げ。
そして、その足でそのまま西側にあるベンチに腰掛ける。もう食う。選択肢はそれ以外にあり得ない。(えっ? 「食べ歩けば、もっと最速で食べられる」って? 馬鹿いっちゃいけねえ。一度食べ始めたら、食に集中して歩くのが疎かになって転ぶに決まってる。一度に別々のことが出来ない男なのだ)
親切にもお持ち帰り後のことまでフォローしてくれている。「レンジで温め直す場合」「トースターで温め直す場合」のコツが書かれていた。
はい、オープン!!!
いやあ、なかなかのボリューム。すでに圧倒される俺。そして、気になったのは、「あっ、箸がねえ。楊枝がねえ」ということだ。すぐに気づく。
「なるほど。素手で掴んで喰うスタイルだな?」
はたしてそれが正しいのか、単に箸か楊枝などを入れ忘れたのかは定かではない。だが、ここで重要なのは、この唐揚げが旨いのか旨くないのかだけである。
容赦なく唐揚げをひとつ、鷲掴みにした。そして、そのまま熱々のそいつを口に丸ごと放り込む。熱い。「あふいなあ」と思いつつ、歯を通す。
む……。思いの外、肉汁的なものは出てこない。あっさりしているな。代わりに漂う柚子の上品な風味。
なるほどなるほど。そういうことか。たしかこの唐揚げは「日本酒に合う唐揚げを作ろう」とオーナーが苦心して造り上げた逸品だったはず。
よくある、味が濃く、肉汁たっぷりジューシーな唐揚げならば、日本酒よりビールなどのほうが合ってしまうものな。そういった唐揚げを「動」の唐揚げとするならば、こちらは違いのわかる大人の「静」の唐揚げというわけだ。
言われてみれば、日本酒に合うオーラを漂わせている気がしないでもないような気がするような感じがする。
鼻から抜ける柚子の風味がクセになるではないか。旨い、旨いぞ、大将!!!
惜しむらくは、ここに日本酒がないこと。(まあ、あっても車で来てるから飲めないし、体質変わって日本酒に弱くなってるからほぼ飲めないんだけど笑)「◯◯に合うものを作りました」と言われたら、その◯◯に合わせて食べるのが一番なんだろうな。
だから、俺はこの「がいな黄金唐揚げ」の本気を知らないわけだ。
本気を知るためには、いずれ美馬市にある「旬や ていじ」に訪れて、常連の酒豪たちに紛れて日本酒に合わせて食べてみなくちゃいけないだろう。
いやあ、奥が深いぜ。唐揚げ道!!!
屋台編、続く――。