第1部お芝居・名作「文七元結」
とくに理由がアナウンスされることはなかったが、何故か聞いていたより20分早く第1部お芝居・名作「文七元結」が始まった。
この文七元結っていうのは、三遊亭圓朝創作の落語で、一言で言えば人情噺だ。内容をザックリ簡単に説明しておくと、
元々は腕のいい左官屋だった大の博打好きの男がいた。男は、負けて帰りゃ妻に手をあげるロクでなし。
そんなどうしようもない父親にふたたび真面目に働いて貰おうと、娘は吉原遊廓の女将さんに身請けを頼み込む。
「身請けで出来たお金で父には借金を返してもらい、一からやり直して母と仲良くしていってほしい」と。
その話に感動した女将さんは、男を呼び出し事の次第を話す。そして、女将さんは借金返済に必要な分を立て替えてくれると言い出した。
ただし、「来年の大晦日までに返済しないと、娘はうちで働いてもらうことになるよ」と釘を刺す。それを平身低頭で承知した男は、娘に「必ず迎えに来る」と約束し、遊郭を後にする。
その帰り道、挙動の不審な若者に遭遇する。
訝しんだ男が見ている所、その若者が川に身投げをしようとしはじめた。
男は慌てて止め、わけをきいた。「遣いで50両の掛け金を集金したのだが、途中で怪しい男にスられてしまった。雇い主に顔向けできないから身を投げるんだ」と若者は言った。
葛藤の末、男は若者に先程受け取ったばかりの大切な金を渡した。そして、若者にその金がいかにしてココに存在するのかを語り、事情を知って戸惑う若者を励ましながら駆け去っていく男。
ところが、若者が雇い主のもとへ戻ってみると、とんでもないことがわかる。実はこの若者、掛け金を丸ごと受け取った店に忘れてきており、その掛け金はその店からの遣いですでに雇い主の元へと届けられていたのである。
翌朝、雇い主と若者は男の家にやってきて、その事実を話し、50両と手土産を持って詫びにくる。
文七元結ザックリ説明 by 徳嶋ダイスケ
ザックリって言ったけど、めっちゃ長くなったね笑
でも、この文七元結っていう噺自体が凄く長いから、これでもかなりザックリしてあるし、何なら一番大事なオチまで書いてないからね(;・∀・)
それはさておき、良い噺だった。内容はすでに落語聴いて知ってたし、現代においてはよくある展開っちゃ展開なんだけど、やっぱり良いものは良い。
しかも、生で観劇するのは初めてだから、響いた響いた。
とくに男が若者を励ますときの「良いか、死ぬな。生きろ! 死ぬんじゃねえぞ、生きろよ!」みたいに捲し立てるような声がめちゃくちゃ響いたな。
観てて思ったのは、「やっぱり、べらんめえ口調って良いなあ」と思ったことだ。「てやんでぃ」「べらぼうめ」「あたぼうよ」「するってぇと」くらいの貧困なイメージしかないわけど、子どもの頃から何か好きだったんだ。多分、キテレツ大百科に出てくる八百八さん(ブタゴリラの実家)の大将が良かったんだろうね。青野武さんが好きだったのもあるだろうけど笑
ただ誰がどの役をされてるのかはわからなかったのがアレだね笑
目が悪いので、「多分、あの主人公が椿欣也さんだろうな」くらいの感じだったのが我ながら残念。。。ただただ迫力の演技に集中しっぱなしの1時間弱だった。