不謹慎と言われるかもしれないが、俺は法事の雰囲気が嫌いではない。むしろ、日頃会えない親戚たちと顔を合わせられて好きなくらいである。
父方、母方ともに親戚同士の仲がよく、従姉妹従兄弟たちと俺たち兄弟も仲がいいので、昔から何かと集まっていた。
とくに最近は従兄姉たちのところに子が生まれており、それぞれ3~7歳の子どもがいるので賑やかさが増して、なかなか楽しい行事と化している。
この間も祖母の3回忌法要があったのだが、前回会ったときより大きくなった子どもたちがたくさん笑わせてくれた。
絶対に笑ってはいけない3回忌法要
お経タイムでは、初めの方こそ大人しく「おかこまり(正座)」をしていた子どもたちだったが、次第に飽きてきて合わせた掌の間にすみっコぐらしのぬいぐるみを挟み込んでみたり、0インチ変顔(超至近距離での変顔)をしてきてみたり、数珠を使ったモノボケをかましてきたりと、いつしか「絶対に笑ってはいけない3回忌法要」みたくなっていた。
気になってチラチラ視線を送っている俺に気づいた子どもたちが、満面の笑みであの手この手で笑わせようとしてくる。
笑っちゃいけない。笑っちゃいけない。と思えば思うほど込み上げてくる笑いの衝動は何とも耐え難いものがあった。
もっとも故人の気持ちになって考えてみれば、いつまでも身内が辛気臭くしているよりは、自分の死も乗り越えて、ふたたび元気に明るく笑ってくれているほうが断然供養になると思う。(とくに祖母の性格上、笑ったほうが喜んでくれる気がする)