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絶対に笑ってはいけない3回忌法要【へべれけ編】

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不謹慎と言われるかもしれないが、俺は法事の雰囲気が嫌いではない。むしろ、日頃会えない親戚たちと顔を合わせられて好きなくらいである。

父方、母方ともに親戚同士の仲がよく、従姉妹従兄弟たちと俺たち兄弟も仲がいいので、昔から何かと集まっていた。

とくに最近は従兄姉たちのところに子が生まれており、それぞれ3~7歳の子どもがいるので賑やかさが増して、なかなか楽しい行事と化している。

この間も祖母の3回忌法要があったのだが、前回会ったときより大きくなった子どもたちがたくさん笑わせてくれた。

絶対に笑ってはいけない3回忌法要

お経タイムでは、初めの方こそ大人しく「おかこまり(正座)」をしていた子どもたちだったが、次第に飽きてきて合わせた掌の間にすみっコぐらしのぬいぐるみを挟み込んでみたり、0インチ変顔(超至近距離での変顔)をしてきてみたり、数珠を使ったモノボケをかましてきたりと、いつしか「絶対に笑ってはいけない3回忌法要」みたくなっていた。

気になってチラチラ視線を送っている俺に気づいた子どもたちが、満面の笑みであの手この手で笑わせようとしてくる。

笑っちゃいけない。笑っちゃいけない。と思えば思うほど込み上げてくる笑いの衝動は何とも耐え難いものがあった。

もっとも故人の気持ちになって考えてみれば、いつまでも身内が辛気臭くしているよりは、自分の死も乗り越えて、ふたたび元気に明るく笑ってくれているほうが断然供養になると思う。(とくに祖母の性格上、笑ったほうが喜んでくれる気がする)

へべれけの宴

法要後には、伯父が用意してくれたお店に移動し宴がはじまる。

すでに並ぶ料理はどれも旨そうでたまらない。

伯父の計らいで飲み物は何でも好きなものを好きなだけ頼めた。こうなると俺は加減を知らない。(俺は、目上の人が「好きなだけ構わん」と言っているのだから、それに甘えないのは失礼だ、という都合のいい思考回路をしているのだ)

ビールからはじまり、焼酎、日本酒。片っ端から飲みまくった。

ばあちゃんが無理やり口に押し込まないといけないほど食の細かったダイスケは、放っておいてもバクバクゴクゴク出来るように成長したよ。

食べることは生きることだ、と誰かが言った。本当にそうだと思う。

当たり前なんだけど、死んだら食べられないんだ。きっと。

だから、今生きている俺は食べて食べて食べまくり、飲んで飲んで飲みまくっている。

都合のいい言葉を並べているだけだと思われるかもしれないが、全部供養のためさ。お坊さんのお経以上に故人を供養するには、身内家族の笑顔であり、笑い声が必要なんだと俺は思っている。

さて、ほどよく酔いがまわってきたところで、おしまい(*´∀`*)

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