やがて、静かな最後の冒険にも終焉が訪れる。自宅に到着してしまった。
これで本当に終わったのだと思った。
エンジンを切った後も、暗くなった車中にしばらく残った。すると暖房に暖まっていた車中も、次第に冷たく、冷えていく。
その感じが、生物の死のように思えて、悲しくなった。「少し感傷的になりすぎたな」と感じたところで、俺は最後に愛車に向かって声をかけた。
「ありがとうな」
それだけ言うと、俺は愛車から降りた。もう振り返らなかった。
こうして愛車・鉄の棺桶2号と俺との最後の夜と、最後の冒険が終わった。
さらば、相棒! 俺はこれからも冒険を続けるぞ。
生老病死。愛別離苦。そうした諸々に負けて、歩みを止めることは生きることへの冒涜だからな。お前の分まで冒険し続ける。安心して草葉の陰から見守るがいい!!
ふはははははは!
……。じゃあな、我が愛車・鉄の棺桶2号こと剃男よ。お疲れさん!
以上、追悼記事でした。 (俺らしからぬ、沈んだ記事を失礼致した。次回更新からは通常通りバカ全開記事を載せますゆえお許しを)