決勝にまで残ってくるレベルの選手というのは、当然のように高いディフェンスを備えている。相手の攻撃を受けたり、いなしたりする高等技術を持ちつつ、その上に何か突出した武器を持っているものだ。
この徳島一武道会においては、その防御力以外に突出した何かこそがカギを握る。あおりいか選手は、無尽蔵の体力。スタミナ。そして、猛者集う今大会でも上位クラスに入る高い攻撃力。
一方、MATCH選手は体力に優れた選手だ。その防御力以外に持つ突出した武器の差が、試合展開にどう影響してくるのか……。
試合開始直後は互いに牽制しあいつつ、ジャブの差し合いで様子見。しかし、両者ともに戦いにおける嗅覚が素晴らしく、機を見るのが抜群にうまかった。ステップワーク時の、ほんの一瞬だけ生じた隙を精確かつ大胆な攻撃でせめぎあう2人。
しかし、最後は防御力以外で、優れたあおりいか選手の変幻自在の蹴り技の連打に耐え切れず、MATCH選手がノックダウン。その瞬間、レフェリーが試合を止めた。
同時にあおりいか選手の徳島一武道会トーナメント制覇が達成された!
そして、あの男がリングに登場した。