ガラガラガラと引き戸をあけると、中はしっかりと暖房が効いていた。さらにテレビも点いている。
だが、誰もいない。
とりあえず適当なところに腰を掛け、休憩してみる。
いやあ、なかなかどうして居心地がいいではないか。気を抜けば、ぽけーっとなり、眠くなってしまうほど良い空間である。2,3度うとうとしかけたときに、ふと「あれ? そういえば次の船は何時だ?」と思い、立ち上がった。
待合所内には見当たらない。そういえば、ここに入る前に何か看板っぽいものを見たような気がする。
この段階から、ぼんやりとした不穏な流れを感じていた。
待合所の真ん前に時刻表が載った看板があるのを見つけた。
そして、それを見た瞬間、「またやっちまった……」と頭を抱えた。