高速降りてしばらく直進。左折。直進。左折。
あれ? これ、元の場所に戻って、また高速乗るんじゃね?
案の定、我らが乗った愛車・鉄の棺桶3号は何事もなかったかのように高速道路に入ることになった。
今のは一体なんだったのか……。
しかし、多少のイレギュラーは旅の醍醐味。よくあることである。
そんなことが3回くらい続いた。次第に友蔵たちも「ん? なんかおかしくないか?」となりはじめた。
3回目に関しては、もはや「なんかおかしくないか?」というレベルを越えていた。というのも、行きでは全く通っていない謎の工場地帯をぐるぐる走らされていたのである。
ハンドルと仲間たちの命を握る俺は、「こりゃ一体どこなんだ?」状態であった。やがて、友彦くんが「ちょっとナビおかしいかもな」とスマホでGoogleマップを開いて、ふたたび口頭でナビをしてくれることに。
やがて、謎の工場地帯を抜け出し、新たな見覚えのないルートに出た我々。しかし、長時間工場地帯を走らされていたため、我々も感覚がおかしくなっていたのだろう。状況が展開したと思い込み、
「よっしゃ! 工場地帯突破や!」
「これで本来のルートに戻ったはず」
「よーし、よしよし」
「へえ」
「おっ! 標識を見ろ。大阪まで後60キロ切ったっぽいぞ」
「ほなかなり近づいたんかな」
30分後……。