「ん? 西祖谷に知り合いいたっけか?」と振り返ると、なんと、そば道場の看板娘さんが友達数人連れてやってきていたのだった。
「おー! どーも、どーも!」なんて言っていると、看板娘さんが「徳嶋さんもカラオケどうです? 私、さっき涙そうそう歌ったんですよ」と良い笑顔で教えてくれた。
どうやら飛び込み参加スタイルのカラオケコーナーが開催されており、誰でも大勢のお客さんを前に好きな歌を歌うことが出来るようだった。一応照れくさくて、「いやいや」なんて断ったんだけど、ふと頭によぎるものがあったのよ。
「ええんか? これ、絶対後から『歌っときゃよかった!』って後悔するやつやぞ」
「ここでやらかさんで、いつやらかすんじゃ!」
と。さりとて、何を歌えばいいものか。そもそもカラオケ自体が3,4年ぶりのことで、自分が何を歌っていたのか思い出すのに苦労した。うろうろしながら、「まずは腹ごしらえしよう」と出店を見て回りつつ、選曲を決めることにした。
すると、見覚えのある顔が……。