吉野川 徳島ラーメン 徳島県民による徳島観光 美味しい記事

お客に愛されるラーメン屋「中華そば立春軒」に行ってきた!

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地元民が「バイパス」と呼んでいる県道30号線沿いにある「立春軒」というラーメン屋さんに行ってきた。その店は朝の10時からやっていて、俺は開店から10分後くらいに入店したんだけど、もうすでにカウンター2席くらいしか空いてなかった。

自分のことは棚に上げて、「みんな、すごい時間にラーメン食いに来てんだなあ」と思いながら着席。

店は大将ひとりで切り盛りしているので、めちゃくちゃ大変そうだ。

注文するタイミングが難しい。大縄跳びに入るのが苦手な子のように、「今か? 今なのか?」なんてタイミングをはかっているうちに、大将が「何にしましょう」と聞いてきてくれた。

中華そば 肉入りの大を注文した。

大将はうなずくと、ラーメンを作り始めた。忙しすぎて伝票を書く暇もないようだ。

そんな店の事情を知っている常連客らしき人たちは、ラーメンを食べ終わると自主的に空になったどんぶりを大将のもとへと運んだり、常備されているティッシュを使ってテーブルを拭いたりしている。当然、水もセルフサービスである。

そんなせわしない大将と、せわしないお客さんを眺めていると、なんだか面白く、なんだか嬉しくなるのを感じた。

店や大将の事情を理解した常連客たちが、自主的にそれに協力する。その姿を新規の客(たとえば俺)が見て、「なるほど、こういうシステムか」と真似る。それを見ていた別のお客がさらに真似ていく。こうした一連の流れが、この立春軒を支えているのだろうと思ったからかもしれない。

「ラーメンのどんぶりは大将の近くに持ってけばいいんだな。それじゃ会計のタイミングはどうするんだろうか」などと先に食べ終えた客の動向を見ながら過ごしていると、お待ちかねのラーメンがやってきた。

驚くほど大量のスープ。驚くほど熱々でやってきた。

思っていた以上にばら肉も多く、思わずほくそ笑んだ。

もやしは細め。これまで特別に意識をしたことはなかったが、どうやら俺は細いもやしが好みだったらしい。思わぬ発見に内心高揚しつつ、ラーメンをすすりまくった。

うまい。無意識に頬が緩む。

どうりで朝からほぼ満席のはずだと合点がいった。

ガンガンに冷房が効いた店内で食べる、熱々のラーメンのうまいこと、うまいこと。

かすかに聞こえてくるテレビの音は、何やら漫才かコント。声を張る芸人のネタを遠くに聞きながら、完食。大満足だった。

相変わらず忙しそうな大将の動きを観察しながら、さりげなくどんぶりを差し出し、カウンターより少し高い台の上に置き、ティッシュをとってテーブルを拭き、財布を構えて会計の瞬間を待った。

やがて大将が俺を振り返り、「肉入りの大でしたっけね?」と愛嬌抜群の笑顔でいった。つられて俺も笑顔になり、「はい、そうです」とうなずき、あらかじめ用意していた750円を差し出し支払いを済ませた。

またひとつ、良い店を知ってしまった。

ちなみに店内のホワイトボードに書かれていたのだが、「定休日 月曜日、水曜日、木曜日 当分の間勝手をさせていただきます。営業時間AM10時~PM2時です」ということらしい。

この当分の間というのがいつまでのことなのかは定かではない。なので、もし立ち寄られる予定があるなら、あらかじめ電話をするなりして確認をとったほうが無難だろう。

ただ、営業中であれば大将はめちゃくちゃ多忙だからなかなか電話に出られないかもしれない。その点は充分にご理解いただき、ご協力いただければ幸いである。

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