俺のなかで勝手に決めてることがある。それは「毎年夏に一度剣山の山頂で塩むすびをむさぼり食う」ことだ。
初挑戦の昨年、初めてそれをした時の感動が俺を剣山無しではいられない体と心にしてしまったのである。
それほど山の頂での飯は旨い。その旨い飯を食うために、俺は山に登るのだ。もしかすると、そんな俺をトンパチ野郎だという人もいるかもしれない。だけど、俺はただ登るだけ。食べるだけ。
旨い飯のためと、前回出来なかった「おくさり場」挑戦のために、お盆休み初日は剣山へ。(当然のようにリフトを利用する)
そして、今回は心強い助っ人をお供に登山した。我が弟・マーである。マーと一緒に登った。
これは、そんな飯のトンパチ野郎の兄と至って普通な弟の命懸けの登山記録である。
まず登山にあたって、ルートを決めた。初めて剣山にきたマーには悪いが、いきなり最難関の行場コースだ。