君は知っているか?
濡れた落ち葉、濡れた岩場と安物のトレッキングシューズの相性が絶望的に悪いということ。そして、その危険性を。
俺の愛用していた運動靴が、山犬嶽への冒険で完全に破損したのは前に書いた通りだが、今回の剣山遊びに間に合わせるために急ごしらえ的に入手した安いトレッキングシューズを履いていった。
そいつは防水性や衝撃の吸収などには十分役立ってくれていたのだが、なにぶん靴底のグリップがまるで効かず、つるんつるん滑るという塩梅。
そういうシューズで山に挑むのは大変危険だが、もう来てしまったものは仕方ない。こういうときは体幹を意識しつつ、足の裏の感覚を研ぎ澄まし、体重のかけ方に注意し、さらに足元を注意深く観察しながら進めば、ある程度は対応できる。
これから山で遊ぼう、冒険しようと思っている君。靴だけはケチっちゃいけないよ。
それはさておき、俺も、弟マーも足元を滑らせながら、何度か「やべぇ!」と肝を冷やしつつ第3の目的地を目指して進んでいた。
ちなみに、我々第3の目的とは、
これまで3度の剣山挑戦で一度もたどり着けなかった、行場コースの「鎖場」だった。