大道銀天街を縦横無尽に楽しみ尽くした俺は、過去に耳にした話を思い返しながら次なる現場「あそこ」に向かっていた。
「鳴門には、無料で乗れる渡し船がある」という話は、このブログを始めるより前に聞いて知っていたが、なんとなく現場に行く機会がないまま現在に至る。
「さあ、あと数百メートルか」というところまできたとき、ふとトイレに行きたくなった。もしかすると、この先進むとトイレがないかもしれないと思った俺は、コンビニでトイレを借りてから再出発することにした。
トイレを済ませ、ちょっとした買い物をして準備万端。さあ船乗り場へ!
何となく港町っぽいというか、海と共存している雰囲気満載の住宅街を歩いて進んでいく。住宅街でプカプカ浮かぶ船を眺めていると、自転車に乗った若人4人組とすれ違った。
年のころは10代後半といったところだろうか。
皆、元気はつらつ。颯爽と立ちこぎしながら俺の横を通り過ぎて行った。
元気があって大変よろしい。
港町を見守るおじいさんになったような気持ちで彼らを見送り、ふたたび歩き始める。
すると、船乗り場っぽいところに到着した。
よし、まずは待合所に入ってみよう。いったいどんな風になっているのか確認しておかなくては。
ガラガラガラと引き戸をあけると、中はしっかりと暖房が効いていた。さらにテレビも点いている。
だが、誰もいない。
とりあえず適当なところに腰を掛け、休憩してみる。
いやあ、なかなかどうして居心地がいいではないか。気を抜けば、ぽけーっとなり、眠くなってしまうほど良い空間である。2,3度うとうとしかけたときに、ふと「あれ? そういえば次の船は何時だ?」と思い、立ち上がった。
待合所内には見当たらない。そういえば、ここに入る前に何か看板っぽいものを見たような気がする。
この段階から、ぼんやりとした不穏な流れを感じていた。
待合所の真ん前に時刻表が載った看板があるのを見つけた。
そして、それを見た瞬間、「またやっちまった……」と頭を抱えた。
この渡し船。結構頻繁に行ったり来たりしてくれているようなのだが、午前中(高島発・黒崎着)が「午前11時7分」。そして、この時、腕時計を確認したら「午前11時10分(俺の時計はすべて1、2分進めてある)」。
どうやら今さっき午前中ラストの渡しが済んだところらしい。
で、次の出航が「午後12時30分」なわけだ。さすがに待っていられない。
10分早く到着出来てれば乗れたのか……。ふと気づいてしまった。。。
ここに到着する直前、コンビニでトイレ&ちょっとした買い物をしたんだけど、それに費やした時間がトータル10分くらいだったのを思い出したのである。おいおい、待てよ俺。あの時間がなかったら、ドンピシャで乗れてたってことか。。。マジかよ、俺。。。
でも、まあ仕方ないな。
どのみちそんなにギリギリでやってきてたって、待合所に入る余裕もなかったろうし、仮に渡れたところで向こう側(高島発)からこっち(黒崎着)の次の便まで時間がありすぎたし。考え方によっては、ギリギリで乗り込めなくて良かったか笑
船に乗るのは次回までのお楽しみってことにしよう。
ちなみに鳴門には、他にも岡崎渡船や島田渡船など無料で乗れる渡船があるんだけど、この時の俺が知る由もない。