新鮮な鮎の塩焼きの苦味と旨味のグラデーションを楽しんだ俺は、気をよくして視界に入った階段をリズミカルに下りてみた。
すると、河原に出られる。そこからは、かずら橋を見上げられるかたちで眺めることが出来た。多分前回来たときも階段に気づいて降りていたはずだが、まったく覚えがなかったので鮮度抜群に驚けたので良かった良かった。
そろそろ、でこまわしはどうだろう。
自分でも少し気が早い気がしたんだけど、とりあえず再び「いこい食堂」の店先へ向かった。
すると、女将さんがでこまわしを待ちわびる俺に気を遣ってくれたのか、もうすでに焼き始めてくれていた。
「1本ください」と言って300円を手渡した。
ジャガイモ。豆腐。コンニャクらが串に刺さって、甘めの味噌を塗られて焼かれたのが「でこまわし」。似たようなものを少し前に食べたが、あちらは竜王でんがく。また少し趣が違う。細かいことはわからないが、とにかく違う。調理方法も違う。
四の五の言わず食おう! 温かい食べ物は温かいうちに食べよう。