ジャガイモは想像どおりホックホク。甘い味噌との相性も抜群。味的にはさほど主張をしないジャガイモの手を味噌がとって、「先生、ジャガイモくんが何か言いたいことがあるそうです」と力を貸してくれている画が思い浮かんだ。味噌の協力を得たジャガイモが「僕は、とても美味しいんだ」と胸を張って主張しているような印象を受けた。
「ジャガイモ、君の実力は知っているよ」と思いながら飲み込んだ。
塩でも、バターでも、醤油でも、旨いジャガイモにエールを送りつつ、豆腐をかじった。途端に大豆の風味が鼻を抜けた。そうか、豆腐も味噌も元は大豆という共通項を持った発酵食品同士か。道理で相性がいいはずだ……。大豆×大豆の強烈な大豆の旨味に笑ってしまう。
やがて豆腐ゾーンがなくなっていき、寂しさを覚え始めたころ、突如やってくるコンニャクの食感と田楽の快楽。甘噛みくらいでは歯を押し返すほどの弾力が心地よい。
3種類の串種の、味や食感、味噌との絡み具合の違いを楽しみながら俺の「でこまわし」タイムは幕を下ろすのだった。そこで感じたのは、やっぱり炭火で焼く食べ物を外で食うと鉄板で旨いという、当たり前にもほどがある真理だったな。