でも、まだゴールではない。そこからさらに駐車場に向かわなければならない。何か大事なことを忘れているようだが、頭が熱暴走中の状態では冷静に考えるなんて出来なかった。
だから、ふらふらヨタヨタと駐車場へ続く道のりを急いだ。
さらに歩くこと5分くらい。ようやく愛車の待つ駐車場に辿り着いた。もたつきながら鍵を開け、飛び込んだ。そして、ドリンクホルダーに鎮座するペットボトルを鷲掴みにし、温くなった水を一気に飲んだ。
ガス欠、水欠の俺には温い水がめちゃくちゃ旨く感じられた。
一気に飲み干すと帰り道困るだろうからと、3分の1程度残した状態でキャップをしめ、エンジンをかけた。エアコンが轟音立てて起動する。
生き返った……。
大袈裟でもなんでもなく、本当にそう思った。少しの間、体を冷やして回復させた。しばらくして、落ち着き冷静になった俺は、ふと「あっ、手洗い場の水飲みゃ良かったな」と振り返るのだった。
熱中症は頭を茹だらせて冷静な判断が出来なくなるようだ。
皆さんもお気をつけくださいm(_ _)m