ハレとケ デザイン舎系列なんだけど、俺が宿泊した廃校ホステルからは車で約50分くらい離れたところに、また別の廃校をリノベーションして使ってる施設がある。
シモロノ・パーマネントと言って、もともとは廃校となった下野呂小学校跡を利用している施設。何があるかって言うと、食事が出来るシモノロ食堂やスウェーデンサウナなどがあるんだ。
とりあえずサウナを体験するには、LINEで連絡入れて予約が必要なので、事前に予約しておいた。
カーナビでは、住所をしっかり入力してもたどり着けなかった。。。合間合間で車を止めつつ、スマホ開いてGoogle Mapでルートを確認して、やっとの思いで到着した。(公式サイトでもGoogle Mapをすすめている)
シモノロ・パーマネント
非常に趣のある木造校舎の真ん前に車を停め、おそるおそる進んでいく。
想像以上に良い雰囲気に、無意識のうちにテンションが上がっていく。俺のイメージする「学校の怪談」的な木造校舎といえば、まさにこんな感じ。
見てみ、綺麗に紅葉しかけた樹にかかったブランコ。一度も観たこと無いアルプスの少女ハイジみたいな風情。
↑これがスウェーデンサウナが楽しめる、「谷のサウナ」。
「うわあ、凄いなあ」なんて思いながら写真撮ってたら、渋くてオシャレなおじいさんが「予約されてた方ですか?」と声をかけてくれた。
帽子をとって「はい、徳嶋と申します。よろしくお願いします」と言うと、おじいさんは微笑みながら「少し予定より早いですが、準備が出来てます。もうはじめますか?」と聞いてきたので、早速サウナに入ることにした。
「着替えはあちらの建物を使ってくれて構いませんので」と言われた建物に入って、着替える。
建物入ってすぐはトイレなんだけど、そのすぐ右手側にある扉を開けて入ってみる。
中に入ってびっくり。
二段ベッド。。。宿泊施設にもなってるのかな。
「和」な感じの雰囲気に、しばし癒やされる。
床は一面畳張りになってて、なんだか夏休みにばあちゃん宅行ってるみたいな懐かしい気持ちになった。(俺の父方の祖母宅は、真裏に川原があって夏になると、よく遊びに行って泳いでいた)
とりあえず11月にもかかわらず、半袖とハーフパンツに着替えて、ふたたび外に向かう。
ちなみに、こちらではTシャツ+ハーフパンツ+タオルのレンタル(500円)や使い捨ての下着(男性200円、女性350円)などのサービスもあるので、急に思い立って訪れても楽しむことが可能だ。
いざ、サウナ開始!
渋いダンディなおじいさんにサウナお楽しみ代金600円を手渡し、いざサウナタイムのスタートだ!!
実を言うと、俺がサウナに入るのはトレーニングジム施設内のプールで泳いでいた20歳以来のことになる。毎回同じ時間に遭遇する、見知らぬおばあさんたちと一緒に世間話しながら延々入ってたのを思い出す。
大事な注意書き。スマホや携帯電話を持ち込むと、熱による破損の危険があるって。なので、合間合間に一瞬のすきを突いて写真撮ったのを載せながら記事を展開していくぜ。
思っていた以上のクオリティーにワクワク。
見えづらいけど、釜で沸騰したお湯がゴボゴボなってて地獄のようです。
開始直後は大体50℃超くらいだったんだけど、5分を超えたあたりから少しずつ温度が上昇していき、60℃近くになっていった。
じわじわと身体の奥から汗が吹き出してくる。はあ~と息を吐けば、それすらも熱風に変わるので、気分は火を吹くドラゴン。ゴキゲンだ。
中に備え付けてある、砂時計を使って時間をはかる。たしか3分と5分の2種類があったかな。
最初のインターバルは、ふたつの砂時計が計り終わる8分でとることにした。
一度外に出てみる。冷たい外気が火照った体を撫でていく。ほほう、快感だぜ。
インターバルは水風呂という名の川で
外に出て涼んでいると、シモノロ・パーマネントの若いスタッフさんが可愛らしいお子さんと手をつなぎながら近づいてきて、
「水風呂というか、川はどうです? はしごを降りて川に入られる方もいらっしゃいますよ」
と提案してくれた。なるほど。たしかにテレビでも観たことがある。熱いサウナで充分に熱された身体を、水風呂で一気に冷やすことで血管を収縮させて何かしらの効果を得る方法みたいなの。
しかし、今は11月。。。さすがに川はどうだろう……。
と逡巡したのもつかの間。「ここまで来て川に入らないのは有り得ねえ!」と実は風邪気味だったことも忘れて、はしごを降りて、川に入った。
キンッキンに冷えてやがる!!!
またたく間に感覚が無くなっていく足。すぐに引き返そうと思って振り返ると、先程のお子さんが俺を見下ろしながら仁王立ち。
「なんだ、人生の先輩。根性ねえな~。そんなんじゃ、この先の人生何も成し遂げられねえな。這いつくばるだけで終わっちまうの確定だぜ、おい」
と言われているような気がして、「何苦楚(なにくそ)、あと10秒耐えてやるぜ」とひとり意地を見せて、川に浸かったまま歩き進めた時だった。
コケまみれの石に全体重をかけたものだから、見事に足を滑らせてひっくり返ってドボンしてしまった。全身ずぶ濡れおじさんの完成である。
幸いスマホは、「こういう可能性もあろう」かと思って置いてきていたので助かった。
ずぶ濡れのまま「どうだ、お子! おっさんの濡れ姿は! これぞ、大人の本気の姿ってもんだぜぇぇぇ!」という顔で、お子さんを振り返ると、もうそこには誰もいなくなっていた。世知辛いもんだ。
釜茹で地獄と晩秋の川を行ったり来たり
途中、ダンディなおじいさんがやってきて、温度を上げるべく火を強くしたり、お湯を撒いてモワモワ具合いを強化したりしてくれた。
その際に教えてくれたのが、
「熱さは高いところに集中するから、こっち(出入口から見て左側)の席のほうがサウナ効果が高い(右側の席よりも高さがあるため)」「ツワモノは座らず立ってサウナを楽しむ」
ということだ。
たしかに火災の時も姿勢を低くして、熱風や煙などを回避しながら避難するなんて話を聞いたことがある。
なので、そこからオススメされた側の席に座ってみたり、座らず立ってみたりしながらサウナに挑戦してみることにした。
大体10分以内ごとにインターバルをとりつつ、時々川に入って冷却しつつ、血管を収縮させる遊びに没頭した。
4度目のインターバルでは、川に入らず、少しあたりを探索しながら体を冷却することにした。
最高に冷えた水とヤギとニワトリ
施設の方がおいてくれた、それこそ「キンキンに冷えてやがるハンザイ的な旨さ」のお水。遠慮なくいただきまくった。
極限に汗かいて、「お前、どこにそんな水を隠し持ってたのか」ってくらいビショビショになってからの水は最高に旨いね。スポーツしてヘトヘトになってからの水分補給ともまた違う良さがある気がした。
何度かおかわりしながらグイグイ飲んでると、突然視線を感じた。
むむっ、この視線……。間違いない。どこかに俺を見ているヤツがいる……。
じーっと目を凝らしてみる。。。じーっと。じーっと。
そして、ダイスケ・アイをズームしてみた。
視線を送っていたのは、どうやらこのヤギさんだったようだ。
俺を見て、食事して、よく噛んで、俺を見るという、エンドレスな4コマ漫画みたいな写真を撮らせてくれたヤギさん。何とも可愛く、人懐っこい目をしているね。「完全にハイジの世界みたいだなあ(一度も観たこと無いけど)」と思っていると、
何かニワトリさんが集まってきた笑
その後、外を出歩くニワトリさんにサンダルの隙間から素足を突かれてしまうが、写真があるわけでも、それ以上のエピソードでもないので。。。
仕上げのサウナで見た矢吹丈の世界
さて、そろそろ最後の仕上げといくか。
気がつけば、温度も70℃に迫ろうとしていた。ムーミンの砂時計が落ちていくのが遅く感じる。。。なるほど、さては俺、そろそろ限界が近いな?
つい今さっきガブ飲みした冷水が、またたく間に汗と化して全身から吹き出ていく。なんとなく、凄まじい勢いで俺の体が循環しまくっているような気がしないでもない。
なるほど、なるほど。矢吹丈はこういう感覚でサウナに入ってたのかな。。。
おいおい、丹下のおっさん。。。そんな心配そうな面してんじゃねえ。。。ふふっ、俺ぁよ、この程度の熱さになんか参ったりしねえからよぅ。。。
ん? 丹下のおっさん? たん……愚地独歩? あれ?
気づくと俺はサウナから出て、全身から湯気を立ち上らせながら川を眺めていた。
シャワーで回復
サウナへと続く扉の真向かいに、また別の扉がある。その奥には、サウナ利用者が自由に使っていいシャワールームがあった。
少し狭い空間のため、綺麗に空間全体の写真が撮れてないので、パーツごとの写真で勘弁しておくんなせい。
まず入ってすぐに脱衣所(脱衣かご、簡単な化粧台、クシ、ドライヤー)。そこで素っ裸になり、奥へと進む。
ブッシャアアアアアアッとかざした手が弾き飛ばされるほどの、強力強烈な水圧に驚く俺。うまく水量と水温を調節し、ほどよいお湯にセットし、シャワータイム。
ちなみに、シャンプーやボディーソープなどもキチンと揃っているのが嬉しい。
柚子の香りがするシャンプーが、めちゃくちゃ良い! 俺が大好きなタイプの香りでテンション上がりまくりだった。
ガシガシ頭、体を洗いまくり、最後は激しめの水圧で一気に流しきって、一息ついた。やっぱり良いね。思い切り汗かいた後に、思い切り汗を流せるのっていうのは。最高ですな(*´∀`*)
大満足の谷のサウナ
約10年ぶりのサウナだったけど、すごく気持ちよかったな。そういや子どもの頃、スイミングスクールに通ってた頃、練習後に必ずサウナに10分くらい入らないといけなくて、それが嫌だったのを思い出した笑
子どもの頃、あんなに嫌だったサウナが、今じゃ気持ちよかったなんて言ってるんだから、人というのは良くも悪くも変わっていく生き物なんだなと改めて実感した。
えっ? そんな下らない、くたびれた感傷なんか聞きたかねえって?
そんなことより、シモノロ食堂はどうなったんだって?
それがさー
見えづらいだろうけど、手前に出てる看板に貼り紙がしてあってね、
「本日はドリンクメニューのみとなります」的なことが書かれてて、予定してた「ここで昼飯」が無くなっちゃったんだよ笑
だから、結局この日は昼飯抜きだったのよ。(この日は誕生日なんだぜ? 誕生日に昼飯抜きって考えられる?笑 ちなみにこの後、廃校に向かう)
そういうわけで、結局スウェーデンサウナを大満足の大満喫した俺は、ホクホクホカホカしながら、シモノロ・パーマネントを後にするのだった。
以上、超絶長くなったけど、サウナ記事終了(*´∀`*)
最後まで読んでいただけた方、途中で挫折してしまった方、本当にありがとうございましたm(_ _)m