仕上げのサウナで見た矢吹丈の世界
さて、そろそろ最後の仕上げといくか。
気がつけば、温度も70℃に迫ろうとしていた。ムーミンの砂時計が落ちていくのが遅く感じる。。。なるほど、さては俺、そろそろ限界が近いな?
つい今さっきガブ飲みした冷水が、またたく間に汗と化して全身から吹き出ていく。なんとなく、凄まじい勢いで俺の体が循環しまくっているような気がしないでもない。
なるほど、なるほど。矢吹丈はこういう感覚でサウナに入ってたのかな。。。
おいおい、丹下のおっさん。。。そんな心配そうな面してんじゃねえ。。。ふふっ、俺ぁよ、この程度の熱さになんか参ったりしねえからよぅ。。。
ん? 丹下のおっさん? たん……愚地独歩? あれ?
気づくと俺はサウナから出て、全身から湯気を立ち上らせながら川を眺めていた。