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【阿波市】服部製糖所を救え! サトウキビ収穫大作戦の巻【和三盆】

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服部製糖所からのSOS

それは11月初旬ころだったか。Twitterをぼんやり眺めていると、

バイト募集のお知らせ 服部製糖所では11月の下旬から12月の頭にかけて行うサトウキビ収穫のバイトを募集いたします。 詳しい内容はお電話、メールまたはDMにてお答えいたしますので気軽にお聞きくださいませ。 よろしくお願いいたします!

阿波和三盆製造元服部製糖所[公式]

というのを発見した。

俺は生まれてこの方、サトウキビというのもを生で見たことがなかった。当然サトウキビ収穫も未経験だった。すぐにメールをお送りして、1日だけお手伝いさせていただく運びとなった。

それが12月2日で、ガッツリお手伝いしてきたのでその記事をば……。

と、その前に……。

服部製糖所とは? 

まず服部製糖所とはどのようなところなのかをザックリ説明しておかねばなるまい。

服部製糖所といえば、1864年から現在まで良質な和三盆をはじめとするお砂糖を販売している阿波市にある老舗である。

その名前(服部)から「もしや有名な忍者と関係があったりして」と安易に妄想してしまったアナタ! どうやらあながち単なる妄想ではないらしいです。

服部製糖所の公式ホームページによれば、御室御用達菓子司を仰せつかった際に「和三盆を製造せよ」との命を受け、徳島に向かったと記述された古文書に「忍びの記述」として残されているという話があるそうです。

詳しい話はコチラから公式ホームページに飛んで確認してちょうだい。

ちなみに当サイト週刊トクシマでも、実はわりと早い段階で服部製糖所に訪れて記事にしているのよね。ただ、服部製糖所のお名前ではなく、「和三盆わんさんぼん」という同敷地内にあるお店のほうのみをご紹介しているので、気づかなかった方も多いのではないかと思う次第。

一応過去記事のリンクを貼っているので、ぜひ飛んで読んでみてね。

というわけでココから本題。次のページから初のサトウキビ収穫に大忙しになってテンヤワンヤになっていくさまが書き綴られていくぜ!笑

午前8時 サトウキビ収穫作業スタート

事前に取材許可を得ていた俺は、意気揚々と作業開始15分前に現地入り。そこで「本日はNHKの取材がありますので、顔出しNGの方は~」みたいな話を聞いて、内心ガッツポーズする俺笑

目立ちたがり屋の引っ込み思案の血が騒いだのである。

そうこうしているうちに製糖所から歩いて2分くらいのところにあるサトウキビ畑には、この日助っ人に現れた精鋭たちが10人前後わらわらと集まり始めていた。

俺は自前の100均手袋を装備し、借りた鎌を持ってヤル気満々で「刈って刈って刈りまくるぞ!」と思っていたのだが、この日の主な仕事は後機械で脱葉したサトウキビを拾って、余計なものがついてたら引っぺがして、長さを揃えながらひたすら集め束ねていくというものだった。(なので、結局鎌をふるうことは一度もなかった笑)

この日集まったのは、老若男女様々で自己紹介等も特になかったので、誰が誰だかわからなかった。だけど、名前も知らない誰かにいろいろ教わりながら作業を進めていくのも面白かった。

ちなみに2,3つのチームに分かれて、それぞれ作業に取り掛かる感じのシステムだった。

ご存じの方もいるかもしれないが、俺は生活に支障が出るレベルの不器用人間だ。

集めて揃えたサトウキビを上手く束ねることが困難で、ビニールひもで括ってみるも他の人と比べてどうしても緩くなってしまうのだ。見かねたおじさんたちが、三者三様の、それぞれオススメの括り方を教えてくれたので、それらを片っ端から試してしっくりいく方法を選んでやってみることに。

すると、なんとピシッときつく縛れるようになったのだった。

10時のおやつ休憩中だったか、NHKの方がやってきた。手持無沙汰っぽかったので声をかけ、話をしながら「徳嶋ダイスケ」の名刺をお渡しする。すると律儀にも名刺返しをいただいた。

休憩でお菓子やお茶をいただいた後、十分に英気を養った我々はふたたびサトウキビ畑という戦場に向かった。そして、作業の続きをしていると……。

社長がやってきて、「TV映っても大丈夫な人いますか?」的なことを我々のチームに聞いてきた。どうやらNHKさんが作業風景の映像が撮りたいらしいのだが、「どうしても映りたくない」という人が多数いたためテキトーな人材を探していたようだった。

躊躇なく「俺、大丈夫っす!」と手を上げた。

こうして「TV映っても大丈夫」な人だけで構築された急造チームが完成し、NHKのカメラの前でひたすら同じ作業をするということになった。

ここで一緒になったおじさんも、撮ってもらえるのが嬉しいようでしきりにNHKの方に話しかけたり、「いつ放送なのか」と聞いたり、「わしも全国デビューかのう」と笑ったりしていた。なので、おじさんに「おやっさん、こういうときは真面目に作業してる人ほど映るんすよ」とアドバイスを送った。

テレビカメラに浮かれるおじさんたち

何しろNHKさんも遊びで来ているわけではない。阿波和三盆の原材料であるサトウキビを収穫したり、作業したりする地元民(俺は違うけど笑)の画を撮りにきているわけだ。となると、カメラ目線でピースをしたり、カメラが気になって作業どころじゃない様を見せたりしていては、映す価値はないのである。

それでもおじさんは浮かれており、しっかり作業はしながらもカメラを意識しまくっているのが傍から見てわかった笑 

一方、偉そうにアドバイスをした俺はというと、正直カメラを意識していた。だけど、絶対にカメラに目線は送らず、横目でカメラの配置を把握しつつ、素人なりに「はは~ん、なるほどな。こういう角度の作業姿が撮りたいのか?」「よし、今荷台に束ねたん運んだら単体で映るな」などとイヤらしい計算をしながら動いていた笑

気づくと撮影は終わっており、そのまま作業を続け、やがてお昼を迎えた。

昼食は各々があらかじめ準備しておいたものを、各々好きな場所でとって、1時間後(午後1時)に再びサトウキビ畑に戻ってきて作業再開するということで一旦解散。

愛車・鉄の棺桶3号でぱぱぱ~っと食事を終えた俺は、シートを倒して仮眠をとったあと畑に戻った。誰が開始の合図を出すでもなく、止まっていた時間が突然動き出したかのように作業は再開された。

午後3時のおやつの時間までぶっ通しで作業は続いた。疲れはしていたが、休憩中に畑に座り込んでの井戸端会議はなかなか楽しかった。中には俺の活動に興味を持ってくれる人もいて、熱心に話を聞いてくれたし、「来月から新しい職場で働く」という俺を応援してくれる人もいた。

そして、更に仲良くなった我々は少し長めの休憩を経て、ふたたびサトウキビ畑に戻るのだった。

お仕事時間終了間際なると、みな、一様にテキパキと片付けも兼ねた動きに切り替わっていく。なるほど。1秒でも時間を無駄にしないための行動と見える。時短だな。これは俺も見習わなくてはならない姿勢かもしれん。結構、「もうちょい」などと言ってキリの良いところまでダラダラ続けてしまう悪癖があるからな。

なので、みなの真似をして片しつつ、作業もしつつ終業タイムを待った。

そして、午後5時ごろ正式に解散という運びになった。

体はクタクタに疲れていたが、心は充実感でいっぱいだった。本当に面白い体験をさせていただいたなというのが正直な感想である。

NHK放送はどうなったのか?

ちなみに放送は翌日12月3日(土)の朝7時35分ごろだった。

ちゃんと起きて、しっかり映った自分を観ながらニヤニヤしたのは言うまでもない。

サトウキビを縛り上げる俺の姿や、

NHK

サトウキビの束を軽トラの荷台に積み込む俺の姿、

サトウキビを綺麗、綺麗する立ち作業する俺の姿がちゃんと映っていた。

そして、浮かれっぱなしだったおじさんは1秒くらい後ろ姿が映っただけだった笑 だから、あれほどアドバイスを送ったというのに。目立つためには、カメラマンの意図をくみ取らないと難しい。

以上、今回はここまで。それではしたらなー。

※服部製糖所の皆様、このたびは大変貴重な経験をさせていただき、さらにアルバイトということでお給料までいただき、本当にありがとうございます。きっとご本人たちには届かないだろうけど、こちらでも深く御礼申し上げます<(_ _)>

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