俺の住む吉野川市には、100年以上の歴史を誇る漬物屋さんがある。
松尾食品加工というところで、さまざまな奈良漬けを販売している。のだが、俺は恥ずかしながら吉野川市に30年以上住んでいながら、一度も松尾印の奈良漬けを食べたことがなかった。
というのも、最近縁あって存在を知って、いくつか売ってそうなお店をはしごしてみたんだけど、どこにも見当たらなかった。結局、近所で買うのは諦めて、しかるべきネットショップ(全国のうまいもんを卸売りしているようなとこ)で購入した。
それがようやく届いたので、さっそく開封してみよう。
良いね。俺、自分で奈良漬け一本丸ごと購入するの人生で初めてだ笑 しかも、送料の都合で2本セットで買ったから、相当奈良漬けを楽しめそうだな。
あと厳密に言うと、俺が買えたのは製造元は松尾さんとこので、販売元はまた別のところである。
せっかくの初対面なんだから、しっかりパッケージとの顔合わせから楽しみたい。
結構可愛いパッケージだな笑
良いね。徳島県産のウリを使っているわけだけど、実は徳島の農畜産物の生産状況としては、スダチ並みに多いとされているからね、ウリ。生産状況全国1位だった気がする。
実食
口に含む前に香りを嗅いでみる。やや! 俺の知ってる奈良漬けではない。
俺がこれまで食べてきたものは、わりかしお酒のツンとした刺激ある香りが鼻を突いてくる印象だったのだが、こちらは柔らかで芳醇なお酒の香りがほのかに香るばかり。上品な雰囲気である。
期待値が上がったところで、いただきます。
ウリの心地よい食感。奈良漬けに限らず、俺は漬物には歯ごたえを求めたいから嬉しい。噛むたびにこめかみ周辺が騒がしくなる感じがないと、ちょっと物足りなく思っちゃうんだけど、この奈良漬けはしっかり騒がしくにぎやかになった。
そして、物語の主人公のように、少し遅れてやってくるお酒の味わい。これは旨いわ。お酒の味はしっかり存在感があるものの、全体的に品があり、熟した果実をかじっているようなジューシーさがあった。
いち酒飲みの意見としていうならば、酒と肴が一体化した存在のように思えた。これは旨い。
咀嚼して、味わい、呑み込んだあとの残り香が、旨い日本酒を呑んだときのそれに似ている気がする。俺ね、子どもの頃から漬物が好きで市販のものから、身近な誰かが漬けたものまでいろいろ食べてきたけど、奈良漬けには、個人的な技術や熱量では越えられない壁というものが明確にあると思っていた。
今回、このガチ奈良漬けを食してみて、その感覚が間違っていなかったことを実感したよ。
塩加減を塩梅なんていうけど、酒加減はまた別のもので漬ける際の加減のしかたがあるんじゃないかな。塩は塩でシンプルがゆえに奥が深いのだろうけど、酒は酒で何か特別なバランス感覚みたいなものがないと上手く漬けられないのではないかというのが俺の感想だ。
うん、滅茶苦茶旨い。他の、本家で売ってるのを何種類か買いたいんだけど、どこで買えばいいのか全然わからない笑 公式ホームページから買えるっぽいけど、カートに入れるスタイルではないっぽいので二の足を踏んでいる最中だ。
さて、どうしたものか笑
というわけで、今回はここまで。したらなー。