新田の滝
Googleマップに寄せられたレビューによれば、かなり道のりが険しいらしく、「滝が相当好きな人向け」の滝だという。これは滝ソムリエを名乗る以上、一度体感しておかねばならない滝だろう。
と言うわけで、久しぶりの連休を利用して行ってきた!
そして、飲んできてみた!
かなりご無沙汰の滝ソムリエ企画である。(2021年6月の轟の滝以来……)
とりあえず出発。
午前9時前と、俺としてはかなりゆっくりめの出発。航続可能距離は約180キロと表示されていた。新田の滝までは片道40キロ程度らしいから、「まあガソリンスタンド行かんでも大丈夫っしょ」と余裕こいて、直接滝に向かって愛車・鉄の棺桶3号を走らせた。
だいたい40分ほど走り、まあまあ山道に入ったところで急激に航続可能距離が減って、一気に100キロを切っているのに気がついた。まだ半分も達していない。。。
「戻って給油する」か?
「強硬してみる」か?
結構走ってきたぞ。おい、どうする俺!?
……ここは冷静に「戻って給油する」を選択。仮に辿り着けても帰れなければ意味がない。それにガス欠を心配しながら山道をドライブするのは、精神衛生上良くないもんね。
せっかく久しぶりの冒険なのだ。やはり楽しまないと、遊んでくれる山と滝に失礼だ。
ってことで来た道を戻り、国道192号線沿いにあるガソリンスタンドで給油。満タンにして、改めて滝を目指す。
結局、2時間くらいかけて到着。
ちなみにGoogleマップに合わせて到着したら、滝の入り口を越えてしまう。
なので、この目印を目標に来ると良い。
さてさて、一眼レフのペン太やGoPro、携帯用浄水器など装備を整え、滝に向かって徒歩移動。いやあ久しぶりに土を踏みしめるのが嬉しいよ。
しかし、歩き始めて早々に「あれ、おかしい」な状況に陥った。気付いたら、巨岩をよじ登り、立ち往生してしまったのだ。
「滝に辿り着くために、こんな何メートルもある岩を登って、ジャンプして進むなんてあり得るのだろうか?」
しばし、巨岩に腰掛け、逡巡。
「いや、あり得ねえだろ! こんな難易度なら何かヒントがあるだろうし、レビューに書いてるはずだろ! 第一落ちたら、タダじゃ済まねえわ」
という結論に達した俺は、ソロリソロリと巨岩を降りて、少し手前まで戻ってみた。そして、周囲を観察。すると、歩き易そうなルートが普通にあるのを発見し、苦笑い。
どうやら久しぶりの冒険で鈍っているらしい。
正規ルートと思わしき道を進んでいくと、だんだんと滝の水が落下する音が大きくなっているのに気がついた。(念のために正規ルートを紹介した動画を載せておくのでご参考に)
多少迷子にはなったものの、無事新田の滝に到着!
手前の巨岩に手をかけて、よじ登る。
うん、良い滝。良いアングル。撮影、撮影。
めちゃくちゃ綺麗。水の透明度も素晴らしく、水量も豊富だ。生命の息吹を感じるね。やはり、自然は生き物だなと実感するよ。
深呼吸しながら辺りの植物に目をやる。ふむふむ。なるほどなるほど。もう俺くらいの滝ソムリエになれば、周囲を見渡すだけで、大体滝の味が予測出来るのだよ。
まず俺には「滝の味は周囲に自生する植物によって変わる説」がある。
それが正しいとすれば、この新田の滝は……ずばり!
杉味系統だと思われる。
この予測が合ってれば、俺の自説も少し信憑性が増すんでねえの?
とりあえず巨岩を降りて、滝に近づき、水を汲む。
なかなか見事な透明度。
香りは? なるほど。はいはいはいはい。
ゆっくり口に含んでみる。舌触り、風味を口と鼻で確かめていく。あー、なるほどなあ。はいはい。
かなりクリアでスッキリした口当たり。そして、気になる味は……。
杉味だった。
予想的中。ただ苦手な濃い杉味とは異なり、比較的飲みやすかったのが印象的だったな。
極端にアレルギー反応が強く出る人でなければ、飲めなくもない感じか。俺も杉アレルギーだが、まあ問題なく飲めたし。
もしかしたら杉味の中では、かなり飲みやすい滝かもしれない。
レビュー
冷たさ 95点
まろやかさ 88点
香り 93点
透明度 94点
ミネラル感 88点
旨さ 95点
総合平均 92.1点
うん、なかなかの高得点になったな。久しぶりで自信はないけども笑
振り返ってみれば、母衣暮露の滝並みの高得点。
よし、滝のレビューも済んだ。少しのんびり撮影しよう。ってことで巨岩から巨岩を移動したり、よじ登ったりしながら撮影。
一眼レフのペン太を取りだしたとき、ちょうど近くの木に1羽の鳥がとまって鳴き出した。
さて、この子はなんて種類の鳥なのだろう。
人間が珍しいのか、しばらく俺の頭上で鳴いていた。
やっぱり良いね。自然のなかにいると、それだけで癒され続けるもんな。ありがてえ。
しかし、山は今回も無邪気なイタズラを仕掛けてきたのだった。
車に戻るべく、足取り軽く歩いている俺の足元に、濡れた落ち葉をしかけやがったのだ笑
気付かず踏んづけた俺は、マンガみたいに転んだ。「やべっ!」一瞬ヒヤッとしたが、やたら柔らかくほぐされたフワフワの腐葉土がクッションとなり助かった。
どうやら長らく顔を見せなかった俺に対する、山からの洗礼らしい。やりやがったな、と思いつつ、か弱い人間が怪我をしないようにフォローしてくれたことに感謝もしつつ、新田の滝を後にするのだった。
やっぱり山、滝最高だわ。
定期的に山に入って、体動かさないといかんね。
さて、次回はどこの山の、どんな滝へいこうか。
まだ何も決めてないのに、今からワクワクが止まらない。
それでは今回はここまで。したらなー。