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【追悼】金ちゃん 肉うどんを味わった話【徳島製粉】

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その訃報がとどいたのがいつだったのかは定かではない。ただ、Twitter上で徳島県系フォロワーさんたちによるツイートで知ったような記憶がある。

金ちゃん肉うどん 製造中止

これには驚いたね。ずーっと傍にいてくれるもんだと思っていたから。

でも、決まったものは仕方ない。物事にはちゃんと理由も存在するわけだしね。嘆いてても仕方ない。だから、せめて追悼記事をあげて、その名、存在を記録に残しておこうと思い、スーパーに買いに行った。徳島県では知らぬ者はないキョーエイである。

そして、これが購入した金ちゃん肉うどん。

うーん。考えてみれば2000年から発売されてて、何回食べただろう。

多分そういうところに製造中止の理由があるんだろうな。もっと我々消費者がガンガン買って食べてたら、きっと製造中止ってことにはならなかっただろうから。でも、やっぱりカップ麺業界は激戦区だから。こちら(消費者)側としても色々なの食べたいし……。

とはいえ、金ちゃん製粉のレギュラー選手として20年以上も第一線で活躍し続けた功績は素晴らしいと思う。なかなか生き残れない世界なんだから。

最後の実食

実食の前に、動画を撮りつつ、ブログ用に写真を撮りつつ、中身を確認。

「かやく」「粉末スープ」「麺」。非常にシンプル。かやくと粉末スープを入れ、お湯を入れて待つこと5分。最後だからちゃんと5分待ってから食べることに。

5分経過……。

キッチンタイマーが出来上がりを知らせる。耳をつんざくようなけたたましさに、ふたたびキッチンへ。ゆっくりとオープン。

なるほど。こんな顔をしていたんだね、金ちゃん肉うどん。

ここにきてやっと気が付いたよ。俺、多分君とは初対面のようだ笑

結果的に完全なる便乗記事になっちゃうわけだけど、俺のブログ「週刊トクシマ」の根本にあるのは「徳島県の文化などをアーカイブすること」だから、許してちょうだい。

食欲をそそる「いかにも旨味成分たっぷり」な香り。「わかめ入り」の文言に偽りなし。ぷかぷか浮かんでいる。よし、うどん、すするど!

ずずずー! ずずずー!

あっ、ええね。カップうどんってこういう太くて平べったい感じのが主流やん? 俺、この感じ好きなんよね。そして、味付け牛肉、かまぼこ、わかめ、ネギたちが、出汁とうどんの狭間で泳いでいる。旨いね。旨い。

改めて思う。もう少し早く君に出会っていたら……。

栄枯盛衰

多分俺みたいな人多いと思うんだよな。全然食べたことないのに、ずっと存在だけは知ってて、いざ無くなってしまうことに驚いて、よく考えた「知ってるけど、全然食ったことねえ」って人。

商売の世界は厳しくてシビアだから、きっと今後も肉うどんのように消えていくものも出てくるんだろう。これは徳島製粉に限った話じゃなくてね。どの企業にしろ、ビジネスやってる限りは避けられない別れというものが必ずあるってことで。

たとえば、お菓子の「カール」。誰もが知る大ヒット商品である。このカールが2017年くらいを境に西日本限定販売になるということで、ちょっとした騒動になったのは記憶に新しいだろう。

だから、どんなに売れてても、何かの拍子に手軽気軽に手の届かないところにいってしまう商品が今後も出てくるんだろうなと。だからこそ、期間限定品ばかりに囚われず、こういう定番商品として、長らく存在し続けている商品にも目を向けていかないと、

また、あまり触れてないままお別れするはめになってしまうなと思った次第。

何だかしんみりするけど、これって人と人の関係にも当てはまるよね。「いつでも会えるから」と思っていても、何をもって「いつでも会える」と言い切れるのかなんてわかったもんじゃない。

だからこそ、会えるときに会っておく。食べられるときに食べておく。行けるときに行っておくという、当たり前だけど、日ごろ忘れがちな大切なことを、この金ちゃん肉うどんは改めて思い出させてくれたような気がする。

ありがとう、金ちゃん肉うどん。君のことは忘れないよ。美味しかった。

ごちそうさまでした。

それでは今回はここまで。したらなー。

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