前回までのあらすじ。
山菜うどんに舌鼓を打ち、ゴキゲンさんだった俺。しかし、大盛にすべきところを、並盛にしてしまったことで、「ごちそうさま」と同時に「お腹すいたー」という状態になってしまった。そこで、俺は道の駅どなりで、もう1品何か頼んで食べてみることに……。
さて、何を頼もうか?
しっかり山菜うどんで栄養補給した俺は、回復した脳みそをフル回転させながら考えた。
おそらく同じような「うどん系」や、前回のキジ肉丼のような「丼系」を頼むと食べ過ぎになる。これは、パンケーキうどんとピザトーストうどんを連続で食べた経験から間違いない。
同じような理由で考えれば、「定食系」も軒並み除外されていく。
となると、必然的に「軽食系」に落ち着く。こうして、山菜うどんで補給した栄養を、「違うものを食べるための思考」に消費していくのだった。
さて、何を食べるべきか。
「軽食系」といっても、道の駅どなりには様々な軽食が用意されており、そう簡単に選ぶことが出来ない。
定番のものでいえば、「ピザトースト」「パンケーキ」「ソフトクリーム」などがある。けれども、「ピザトースト」と「パンケーキ」は「うどんの上に乗って登場」という衝撃的な出会いをしているし、ソフトクリームの口ではなかったし。
はてさて、どうしたものか……。と迷っていたとき、ふとあるメニューを思い出す。
土柱ドッグ
ちなみに土柱というのは、
砂礫層の侵蝕によって数十の土の柱を現出した地形で、柱状・尖塔状等の土柱が相屹立している奇勝。(略)アメリカのロッキー山脈とイタリアのチロルの土柱と阿波市にしかない貴重なもので、世界三大奇勝と称されている。
徳島県観光情報ガイド阿波ナビより一部抜粋
である。詳しくは過去記事などをごらんくだされ。
つまり、阿波市の観光名所である土柱を模した軽食メニューがあるというわけだ。
メニュー名と一緒に掲げられていた写真から察するに、ホットドッグっぽいもののようだ。それなら丁度いいサイズであるに違いない。
よし、これだ。これにしよう。
ふたたび、ちーかまさんのいるレジまでいって、
「土柱ドッグくださーい」と会計を済ませた俺。
「こちらでお召し上がりになりますか?」と聞かれたが、「持って帰って食べよう」と思い立ち、瞬時に「いや、テイクアウトにします」と答えた。
数分後……。
ふたたびアナウンスに呼ばれた俺は、土柱ドッグを受け取りに行く。持ち帰り専用なのか、透明パックに入れてくれてあった。
そして、キッチンのお姉さんが「これをかけて食べる人が多いですよ」と、多分マスタードっぽいものをオススメしてくれた。なので、そのマスタードを透明パックの隅角に、ニューッと入れてもらった。
キッチンのお姉さんと、ちーかまさんに見送っていただきながら、道の駅どなりを出る。
愛車鉄の棺桶3号に戻る道すがら、俺は両手で大事に土柱ドッグを持っていた。落とさないよう、そっと両手で持っていたのだが、その手には出来立てほやほやのあったかな土柱ドッグの感触。
ふと頭をよぎる。
テイクアウト? お前、家まで我慢できるの?
そもそも山菜うどんだけでは足りなかったから頼んだんじゃないの?
あったかいうちに食べるのが一番美味いじゃねえかよ。
もうひとりの俺のささやき。
「それもそうだな」と思い、車に乗り込み、スマホで写真を撮ってから、「いただきます」
結局、道の駅どなり敷地内で食べることにした。
しかし、よく見るとなかなかのボリュームだ。どう食べよう。
いろいろ考えたが、「よりデカい口を開けて、端からかぶりつこう」と強硬策を実施。
まずは左端からガブリ。熱を保った柔らかなパンの歯触りのよさ。
そして、ふんわりとカレーの風味が鼻孔をくすぐる。
カレーコロッケというやつだろうか。なんとワンパクで旨いのか。
しかも、そこにかかるケチャップがワンパクぶりに拍車をかけている。
ウインナーを1本ぶんぱくついた段階で、
「そうだ、マスタードつけてみよう」と思い立ち、ちょんちょんと付けて頬張った。
あっ!!
旨い!
ハニーマスタードってやつなのか、辛くなくて、ほのかに甘い。
「うわあ、マジうめぇ」と頬を緩ませながら、ガブリ、ガブリ。結局4口か5口で食べ終わってしまった。ごちそうさまでした。
結局、土柱ドッグも凄まじく美味しかった。ごちそうさまでした!
さて、最後に土柱ドッグと本物の土柱を見比べてみよう。
それでは今回はここまで。したらなー。